
11月を迎えました。八ケ岳は赤く、赤く、、、、木々も赤く、黄色く、落ち始めた葉はまだ柔らかく、靴の底をあたたかく刺激し、開いたすすきの穂が、黄色い菊に代わりました。



我が家の周りは化粧直しのため、作業の足場で囲まれましたが、内は静かに「あったか えりまき展」の準備です。中・高校時代の友、横浜在住の織物作家・青戸英子さんの手織のえりまき展が1日から始まりました。前日、友が集まり、ポスター作り。学校時代のバザー準備のよう。お客様いらっしゃらなくとも、、、いいわね、、、同窓会気分、なんて騒ぎながら、幕を開けました。


案の定、PR不足もあって、初日は同窓会でしたが、2日は、1階では手織りマフラーと絽刺し展、2階では、「絽刺し教室」が暖かいストーブと、明るい秋の日だまりのなかで、のんびりと開かれました。遠くは、神戸芦屋、茨城友部からもお客様をお迎えし、時間はゆっくりゆっくり流れていきました。



この2日の夜、後ろ髪引かれながら、私は長野市へ向かいます。3日(金)午後2時、長野市のSBC(信越放送)新社屋で開かれる「文化による街づくり 女性3人 にぎわいトーク」をするため、ホテルに女性3人集合しました。一人は、リングリンクホールおなじみの森ミドリさん。チェレスタと共に長野入りです。もう一人は、20年来の友人・政所利子さん。彼女は東京・浅草「六区街の再生」など、町おこし、街づくりに日本中を飛び回っているプリティー・ウーマン。久しぶりの再会に、明日の準備どころか、話しがはずみ、笑い転げ、深夜1時まで、アイスクリームとお茶で過ごしました。

翌朝、ロビーに7時集合。3人で向かうところは善光寺! インターネットで調べたミドリさんが、「お数珠頂戴」に行こう!と。朝のお勤めを終えられた上人様が参拝客の頭にお数珠を当ててくださる、たいそう重要な行事とのこと。この朝は、お二人の上人様からいただき、、、、ご利益十分と思いきや、さらにお戒壇めぐりまですませました。

お戒壇めぐりとは、ご本尊の安置されている下の真っ暗な回廊を手探りで進み、中ほどに懸かる極楽の錠前を探り当てて、秘仏のご本尊と結縁するという道場だそうですが、、、、こんなにも完全なる暗闇は初体験です。へっぴり腰で、、、、不思議なもので、人間は暗闇は低く低く歩くものなんですね。
女3人、「にぎわいトーク」に臨みました。「レディス4」からのファンとおっしゃる方々が多数お集まりいただき、感謝です。森ミドリさんのチェレスタの音も会場をやさしくつつみ、、、楽しい会になりました。このトークセッションの模様は11月26日(日)午後9時からSBCラジオの1時間特別番組として放送されるそうです。聴取可能な方、是非お聴きくださいませ。


この夜は、終わって茅野へ。明日から2日間司会を務める「第9回 小津安二郎記念 蓼科高原映画祭」の打ち合わせ。私も2度目の司会で、少し要領もわかりだし、、、、スタッフの皆さんのこれまでの準備に感謝し、家路につきました。長い一日が終わりました。
4日(土)「小津安二郎記念 蓼科高原映画祭」のオープニングセレモニー、ゲスト・吉田喜重監督・岡田茉莉子夫妻のトークセッション、そしてレセプションへとつづきます。小津監督の「秋日和」が上映され、それにご出演の岡田さんからの撮影秘話など、「いまも生きている小津安二郎」を感じました。最後の十年、ここ蓼科の別荘「無藝荘」で、盟友野田高梧と共に、シナリオを書き、友人知人と酒を酌み交わしたゆかりの山荘。今はプール平に移築され、一般公開されているとのこと、私はまだ行く機会なく、、、、終わったら早速、と今年も思っています。


5日(日)は、この映画祭がきっかけで作られ、完成した映画「小津の秋」(野村恵一監督)の一般公開前の初公開。最高の観客動員で幕を開けました。主演・沢口靖子さんのビデオ・レターで始まり、、、、、皆の愛してやまぬ蓼科の美しい秋の自然の中で、藤村志保さん、栗塚旭さんの穏やかな温かいミステリアスなドラマが展開していきます。
何より私が驚いたのは、最初のシーン。茅野駅で「あずさ」を降りてくるプラットホームの沢口靖子さんの先頭をきって歩いている乗客が、なんと永六輔さん! ご本人はカメラに全然気づいておられませんが、、、確かに永さん! となると、この日は昨年の10月24日、12時3分! 私もお迎えで、上の改札口にいたわけです。リングリンクホールでのトークショーにお出でになった日、偶然にカメラの前をスタスタ。
もう今からワクワク! 11月13日「リングリンクホール」にお出でになる永さんに、「永さん、エキストラもなさるんですか?」と申し上げたくて、、、それにしても、沢口さんを待っていたカメラマンも驚いたことでしょうね、、、、




この映画はほんとうに不思議なご縁です。音楽監督が若草恵さん。この方は佐高信さんのいとこさん。公開はこれからだそうですが、是非ご覧下さいませ。山田洋次監督がこうおっしゃっておられます。
「哀しくて奥行きの深い大人のドラマを、
小津が愛してやまなかった蓼科の風景で包むように美しく、
頬ずりをするように優しく描いた野村恵一監督は、
見事に一本を決めた」
幼い頃から映画で育った私が、、、舞台挨拶の司会をできるなんて、、、、ほんとうに嬉しい週となりました。この映画祭は短編映画コンクールも開催され、若者たちの作品にもふれられました。「モノを創る」、、、しばらく忘れていたこの言葉の意味も思い出させてくれる映画祭。茅野市民館最後の上映は、「単騎、千里を走る」。目を真っ赤にはらして、高倉健さんを見た後、寒い外気に襟巻きを巻きなおし、、、あの昔を思い出しました。かつて一緒に映画を楽しんだ父母をショートステイのお迎えに。心は温かく、「単騎、夜道を走りました」。
(2006.11.6 写真/小林節子)
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第44回 八ヶ岳が赤く染まっています
小林 節子

