2月初めにシベリアから飛んで来た優雅な白鳥達が羽を休めていた上川も、今はその姿がなく、雪を少しいただいた八ケ岳の山頂が、去り行く白鳥の群れのように、遠くぼんやり見えました。


 村では少しづつ、畑の準備でしょうか。霜は融けたもののまだ凍った大地をトラクターに乗って農家の方々は種まき前の準備です。

             


 「今年はまだ福寿草を見ていなかった!」と気づき、一番近いところとなると、、、ご夫婦二人で自給自足を目指し、うらやましいほどの優雅な日々を楽しんでいらっしゃる大学の先輩、「立場川の仙人」(勝手にそう呼ばせていただいています)を朝一番でお訪ねしました。

              
              

 「パパ! 節子さんよ!」

 ガラス越しに叩いた音で気づかれた奥様が2階の先輩を起こされたみたい。申し訳ないなんて思わせない明るく弾んだ応対に、いつもながらいい気持になって、


「福寿草咲いてます?」


「あるわよ、今年は庭に群生。すごいでしょう!」

              
              


「他にないかな、、、あった! かわいいでしょう! シラーと言う花よ」

              

「鳥たちはもう来てます?」

「勿論!さっきまでいたけど」

残念、今朝は闖入者が来てあきらめたみたい。ごめんなさい。

              


 ここにも宿り木が。葉の茂らないこの季節だけしかしっかり見ることの出来ない宿り木を原村自慢観光スポット「白樺林」で見てきたばかりで、伺うと、


「どうも、同じか近い木に多いのね。ちょっとねばりのある実を鳥さんが食べて糞をして、1メーターくらい糞がすーっと糸をひくの、、、そこにまた作るみたいよ」

実はぐみの実のようにかわいく、赤くなる頃鳥さんが食べるみたいですね。

                


 今日はこれから奥様がお出かけで、おいとまを、のついでに、仙人の作られた樹上の小屋に初めて上がらせていただきました。4本の木を利用して、木を傷つけずに作られた小屋。自ら作られたかやぶき屋根まであるんですよ。木の生長に連れ、高さが違って傾いてくるのではと、心配して伺うと、仙人はお答えに。


「成長の遅れた木の根元にオシッコでもしてください」


                  


 春の川音を聞きながらの帰り道。さー早く白寿、卒寿が起きる前に帰らねば、、、もう少し花が咲き始めた頃、二人も連れて来たいな、、、緑の中で、宿り木は隠れてしまっているかもしれないけれど。


 さて最後に内緒の話ですが、仙人の奥様に

「座禅草を見に行ったんですよ」と報告すると、


「あら、あなたの家のすぐ近くに、いっぱい群生してるじゃない」

「え?!」


 その足で早速。八ヶ岳中央農業実践大学校のすぐ近くです。森の中で、一角、それらしき湿地帯が! 小さな流れと、シダの大群。学習は大切ですね。ピンと来るのです。

「あの公園と似てる。ここに違いない」


ない、ない、、、、あった!
標高が高いので、時期はまだ早いのでしょうか。
もうすぐすると! 座禅草が、、、、、どこもかしこも、、、

                

 別に内緒でもないのかもしれませんが、人の手が管理しなければならないような状態にならぬことを祈って。皆が、静かに、楽しみに、座禅草に会いに行きたいなと、、、今朝も散歩がてら、訪ねてみましょう。

                                      (2006.3.27 写真も 小林節子)


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第12回  原村も春の気配です

小林 節子


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